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2025/11/03

第17回 日本人設計者が考える「ベトナム人と働く」

近年、設計という分野に限らず、日本人の採用について難しく感じている企業が増えているかと思います。
これは単なる人手不足というわけではなく、複数の要因が絡み合った複雑な課題です。

例にあげると、
・少子高齢化による労働人口の減少
 …若年層の人口が減り、企業が求める年齢層の人材がそもそも少ない。
・売り手市場の加速
 …求職者が複数の企業から内定を得やすくなり、企業側は辞退されるリスクが高まっている。
・働き方の価値観の多様化
 …副業OK、フレックス勤務など従来の雇用形態では魅力を感じない人が増えている。
などがあげられます。

そしてこれは今後も続くであろう問題であり、これからの時代は日本人だけでなく、
ベトナム人といった外国人労働者をうまく採用し活用していくことが大切だと思われます。
今回は日本人設計者の目線から見る「ベトナム人と働く」について、話していきます。

■ベトナム人と働くことの良さ

弊社で数名、ベトナム人を見てきましたが、勤勉で真面目に働いてくれる人が多い印象です。
細かく設計の作業指示やルールを説明してあげると、実際にその通りにやってくれます。
また、ベトナム人は助け合いの精神が強い文化のため、
設計のようなチームで連携するお仕事には特に向いているのかもしれません。

■ベトナム人と働く難しさ

言葉の壁はもちろんありますが、設計者がよく会話で使う専門用語が特に伝わらないというのがあります。

例えば、「この部品肩当して位置決めできるようにして」や「この部品設変になるから」と伝えてもベトナム語の翻訳では伝わりづらいです。
肩当で位置決めは、まずは「この面に当てて固定する」とわかりやすい似た表現に言い換えてあげ、
設変は設計変更の略語になりますので正式名称と意味を一緒に説明してあげることが大切です。

また、これは日本人の新入社員でも同じことが起きますが、次の工程の人が見やすい図面を書くこと、
作業者が作業しやすいように設計することのような感覚的なところは伝えて理解してもらうことが難しいです。

例えば、図面を書いてもらったとき、寸法は漏れなく記載してくれているので物は作ろうと思えば作れるのですが、
文字が重なっていたり小さい紙サイズに窮屈に書いていたりと見づらい図面になることが多いです。
これは数をこなして感覚を養っていくしかないでしょう。

■ベトナム人に知っておいて欲しいこと

日本では「報告・連絡・相談」が重視されます。
なので問題が無くても「○○まで終わりました」、「今から○○やります」など報告が欲しいです。
問題やわからないことがあった場合も自分だけで解決しようとせず、報告や相談をしてほしいと思います。

また、ミスをしたときの対応で言い訳よりも責任をもって対応する姿勢が大切です。
ミスは誰にでも起こります。それを隠して後々大きな問題になるよりは正直に報告をしてどのような対応をすべきなのか相談をしましょう。

このような習慣を大切にすることが、個人の評価にも繋がり、より良いチームでのお仕事に繋がりますので覚えておいてほしいことのひとつです。

■これからベトナム人と働く人に

ベトナム人は勤勉な姿勢など日本人に似たところを持ち合わせておりますが、やはり価値観や優先順位など違うところがあります。
日本人としての常識を押し付けずに、「違っていて当然」と受け止める姿勢が大切です。

また、比較的日本語が話せるベトナム人も多いですが、やはり専門用語や曖昧な表現は誤解が生じやすいです。
設計を教えるにしても図に書いて説明してあげたり、ジェスチャーや簡潔な言葉で伝えるようにしたり工夫をするとよいかもしれません。

ベトナム人と働くことは、単なる「人材確保」ではなく、企業としての「異文化との協働による成長のチャンス」にもなります。

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